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  • 執筆者の写真香織 浜森

2024(令和6)年第二回定例会 代表質問


6月27日の代表質問の内容です。


質問は大きく3点あります。1点目、目指すまちづくり~ウォーカブルなまちづくりの実現に 向けて~、2点目、DX推進について、3点目、こどもの意見表明権についてです。


まず、1点目の千代田区が目指すまちづくりについて伺います。 特に、ウォーカブルなまちづくりについて、人中心の楽しく歩きやすいまちというイメージが ありますが、具体的にどういったことなのでしょうか。


このウォーカブルという概念を提唱した 一人は、アメリカの都市計画家であるジェイン・ジェイコブズと言われています。1961年に 出版された「アメリ力大都市の死と生」において、歩行者に優しいまちづくりが都市の安全性と 活力を高めると提唱しました。近年では、2012年に「ウォーカブル・シティ」を出版したジ ェフ・スペック氏が、車依存社会への疑問から、歩行者と自転車が快適に移動できる都市環境の 実現方法を具体的に提案しました。


また、日本では、先日亡くなってしまいましたが、建築家の 槇文彦氏が、都市の歩行者空間、オープンスペース等の重要性を強調し、歩行者にとって快適で 魅力的な都市環境の設計に取り組みました。ほかに、都市計画家の山本理顕氏がトラム・路面電 車などを導入することで、車がなくても都市内の移動を便利にし、持続可能で豊かに生活できる 都市環境の実現を目指しています。



こういった動きを受けて、国土交通省も、2000年頃から本格的にウォーカブルに取り組み 始め、千代田区では、2022年に千代田区ウォーカブルなまちづくりデザインを作成しました。

ウォーカブルなまちということは、区民にとって住みやすい、住み続けられるまちを意味し、区 民の生活や地域コミュニティに直結する重要な事業と言えます。そこで、千代田区の目指すウォ ーカブルなまちづくりとはどのようなもので、何を目指すのか、区民によく伝わるように、確認 したいと思います。


先日、バルセロナのまちづくりについて、慶応義塾大学のホルヘ・アルマザン准教授とスペイ ンのバルセロナ市役所の職員、ジャウメ・バルナーダさんにお話を伺いました。ジャウメさんは、 バルセロナ市で都市計画の住宅局長も務めたことのある方で、カタルーニャ工科大学の博士号を 取得しています。



今回は、バルセロナのまちづくりと比較することで、千代田区の目指すまちづくりについて、 どこが同じで、どこが異なるのかを確認し、その全体像を明らかにしていきたいと思います。 まず、バルセロナのまちづくりから見ていきます。


バルセ ロナでは、30年前にまちづくりの概念が大きく変わったそうです。都市の問題として、暑さ、 自然の少なさ、汚染、事故、騒音などの問題がありました。また、人に焦点を当てると、健康や 人とのコミュニケーション不足といった問題もありました。そして、これらの問題を解消するた めに、まちづくりの転換が必要だったのです。


こちらの写真は、左が約30年前、右側が現在を比較したものです。都市の一部を歩行者優先 のエリアに変えることで、車の交通量を減らし、市民により多くの公共空間、スペースを提供し ました。


もう1つ、写真を見てみましょう。


こちらも約30年前と現在を比較したものです。バルセロ ナでは、道路と言わず、街路という表現を使っています。ぎょうにんべんの「街」、「街路」。 道路との違い、街路とは人間を感じられる空間で、人々の生活の質を高めるものです。



単なる移 動するための道路ではなく、生きるため、生活するための場所です。お店があり、高齢者が座っ ていて、子どもたちが遊んでいる様子が分かると思います。日本では、人は道の端っこを歩きま すが、バルセロナでは、街路の真ん中を歩きます。バルセロナだけでなく、パリ、ニューヨーク、 様々な都市が変わってきているとのことです。



それでは、バルセロナでは、どのようにまち、街路をつくっていくのでしょうか。非常に戦略 的です。


3つのステップで見ていきます。 まず、まち全体に2平方キロメートル、3万人の界隈ユニットをつくり、小さいまちとして捉 えます。そして、地図を見て、2平方キロメートル、徒歩10分以内に快適な住宅、買物できる 場所、スポーツ施設や図書館など、生活に必要な場所、公共施設をプロットしていきます。


次のステップは、交通機関についての検討です。主要道路において、歩行者優先の場につくり 変えていきます。車優先では、人間関係は生まれません。ただし、あくまでも歩行者優先であっ て、歩行者専用ではないということもポイントです。



車も入れる共有の場であって、優先順位は、 歩く人、公共交通機関、個人の車の順です。バルセロナでは、わざわざ公園や広場をつくらなく ても、日常的に使う生活空間として街路が機能しており、全ての道の70%を歩行者中心にする ことが目標だそうです。



そして、最後のステップとして、生活の質がどれぐらい上がったかを検証します。大学など、 3つの機関で効果検証をしているそうです。


大気汚染などの環境への負荷が低減したか、チョウ チョウの数など、生態系の変化、騒音や事故の減少、ヒートアイランド効果の軽減、緑地の増加、 社会的交流の促進、身体的・感情的健康、そういったものにどの程度貢献しているのかを測定し ています。



バルセロナのスーパーブロックに関する2022年の報告書によると、500のスー パーブロックを界隈、小さいまちのことをスーパーブロックと言っているんですけれども、この500のスーパーブロックをバルセロナ全域に実装することによる健康影響評価では、 年間約700件の早死にを防ぐことができ、医療費で年間約17億ユーロの節約が見込まれると のことです。


最後に、現在、自転車専用ゾーンをつくるという考え方から、歩行者と自転車がシェアをする 流れに変わってきているということをご紹介します。こういった状況を制御されたコンフリクト と言うそうですが、スピードを抑え、お互いに尊重し、気をつけながら一緒に移動しているそう です。



こういったまちづくりを実現するためには、まず、アイデア、設計、デザインは必要です が、政治的な意思、行政の技術、そして、市民の合意が必要です。市民の合意がない場合は、戦 略的に実験し、3年ぐらいかけてデータ収集をし、検証しているそうです。さらに、時間や市民 教育も必要ですが、こういうまちにしていきたいという強い思いと条件が整えば、どの都市でも、 全ての都市で実現できるというお話でした。



ここからは、千代田区に対する質問です。千代田区におけるウォーカブルなまちづくりの定義、 ビジョンについて教えてください。資料編にあるように、公共施設の適切な配置なども含めた歩 いていける場所に必要な施設があるという考え方も含まれているでしょうか。「Quality of life=生活の質の向上」と記載がありますが、どういったことをイメージしているの でしょうか。



また、よくにぎわいという言葉が出てきますが、対象とする人は誰か、どのような 状態をにぎわいと考えているのでしょうか。外から人を連れてくるイメージでしょうか。あるい は、家の中から人が出ていくことも想定していますか。以前、1階でお店をしていた方が、お店 をたたんでビルにして、一番上に住むようになって、なかなか外に出ていくのがおっくうになっ たということを聞きました。そして、周りの方も同じで、外に出ても話せる人に会わないという ふうにおっしゃっていたことが印象的です。私は、中から、家の中から外に出ていくということ を重要というふうに考えますが、いかがでしょうか。



次に、目標と現在の進捗、具体的な進め方について。バルセロナでは、道の7割を街路にしよ うと考えているそうです。千代田区では、どの道を何本あるいは何割、ウォーカブルに変えよう としているのでしょうか。現在、いろいろな実証実験をしていますが、実現していく道筋はどの ように考えていますか。交通政策についても、検討しているでしょうか、具体的な検討内容、進 め方について、教えてください。



合意形成について。まちづくりでは、合意形成が非常に重要となっています。協議会のつくり 方はどのように変えていくのでしょうか。神保町では、まちづくりプラットフォームを活用して いくとのことですが、現状の進捗、課題はどんなことがありますか。



バルセロナでは、前述のとおり、様々な指標で効果測定を行っています。現在、千代田区では、 どのような項目で効果検証していますか。例えば、環境や大気汚染、事故の数、騒音レベルなど に加えて、健康や社会的交流の促進、こういった項目も指標として考えているでしょうか。



部署間連携について。健康、社会的交流の促進といった点では、地域振興はもちろん、保健福 祉、DXの分野も関わってきます。保健福祉、DX担当など、ほかの部との連携を強めていくこ とについて、どのように考えていますか。



大きな質問の2点目です。DX戦略についてです。 今年度は、DX戦略3か年計画の最終年度であり、次期戦略策定に入る重要な年です。


昨年1 2月に出された中間報告書では、目指す方向性や取組状況について、分かりやすくまとめられて いました。しかし、進捗状況や今後の優先度をさらに明確にするため、3つの将来像及び課題について、進捗、今後の見通しなど、伺います。


3つの将来像とは、この図にありますが、区民はいつでも、どこでも、誰もが、自分に合った方法を選択して、サービスを受けることができるという区民向けサービスのDX化について、これ が1つ目。2つ目、職員は、自分の働き方をデザインすることができ、いつでも、どこでも、無 駄なくコラボして仕事ができるという職員の働き方・業務変革について、これが2点目。そして、 確かな安全の下、効果的にデジタル技術と情報が活用されている状態を目指すセキュリティ・情 報基盤について、これが3つの目標です。



まず、目標1つ目の区民向けサービスについて、3点、質問します。区民にとって分かりやす いDX化が手続のオンライン化です。オンライン手続を利用するには、まず、千代田区ポータル サイトにアクセスして、利用者登録をする必要があります。登録者数、アクセス数の現状はどう でしょうか。認知度を高め、もっと利用してもらうために、どのような施策を考えているのか、 今後の見通しについて教えてください。



オンラインを活用した手続の簡易化について、現状は、 オンラインで完結しないものの、必要書類などを事前に確認することができるものと子育て関連 の申請やイベントの申込みなど、区役所に行かなくても、オンラインで完結できる手続がありま す。中間報告では、実現した手続数は見えますが、目標対象数がないので、進捗が分かりません でした。全体で対象となる手続数は幾つあるのか、そのうち何割までがオンライン化できている のか、現在の進捗について教えてください。見通しを知りたいため、正確な数字でなくても構い ません。



デジタル提案制度の応募状況、課題について伺います。今年4月、区民などが予算の使い方を 提案する制度がスタートしました。提案するテーマは、デジタル技術を活用し、地域課題の解決 や行政サービスの向上につながる取組についてです。1つの提案につき、使える予算は1,000 万円以内。今年の4月から5月の応募でした。この取組は、区民が区政や予算に関心を持つきっ かけになり、区側も住民などの求めるサービスが分かるという効果があり、非常に画期的なことと思います。区としては、どういった効果を期待しているのか、また、現状の応募状況、今後の 流れについて教えてください。



次に、目標2つ目の職員の働き方、業務変革について、2点質問です。まず、リモートワーク について、介護や子育てなど、いろいろな状況にある職員の働きやすさを向上させるためにも、 リモートワークの推進は重要です。職員のリモートワーク推進の状況はどのような状況になって いますか。一部の希望者だけが利用している状況では、リモートワークの効用は不十分です。リ モートワークでも、出社と変わらず仕事ができる環境をつくるためには、対応可能な全ての職員 がリモートワークを実施できるようにする必要があります。そうして初めてオンラインでも問題 なく仕事ができるように、業務を整理して標準化していくという副次的な効果も得られます。よりリモートワークを推進するために、例えば、月に2回は必須にするなど、目標値を設けてはど うでしょうか。段階的に管理職からでもいいので、リモートワークの本来の価値を高めるまで実 施してほしいと思いますが、いかがでしょうか。



次に、RPAについて。既に、一部の在宅支援課や保険年金課など、パソコン上のプログラミ ングによる事務作業を自動化するRPAの導入に向けて、業務のやり方、ビジネスプロセスを変 革するBPRが進んでいるとのことですが、RPA対象事業と進捗、全体業務の何割なのかにつ いて教えてください。RPAが適用できる業務はどれくらいあるのか。BPRを実施すれば、R PAが適用できるものはどれくらいか。そもそもRPAが適用できないものはどれくらいなのか、 割合を教えてください。



そして、3点目の目標の中でも、2点、質問します。 まず、オープンデータの推進と二次利用可能なデータについてです。現在、オープンデータカ タログにおいて、150項目のデータが公開されています。その中に、グラフ化してPDFで共 有しているものもありますが、データ共有の観点では、まだ第一段階であると考えます。二次加 工ができないからです。オープンデータとは、誰もが自由に使えて、再利用、再配布できるデー タのことです。行政資料集にある人口や財務状況、教育などのデータがエクセルで提供されてい るように、二次加工できるようにすることが大事です。 こちらの資料をご覧ください。


今回、官製談合で問題になった契約情報について、現状は月ご とに契約書の写真が保存されており、検索や分析がしにくい状況です。



例えば、エクセルなどで 情報が整理されていれば、特定企業の受注状況や発注の傾向などを分析することが可能になります。ぜひ、二次加工できるようにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。



次に、BPR、RPA、オープンデータ推進のための人材モデル定義と研修について。今、ど こでも、どの会社でもIT人材、DX人材は不足しています。しかし、IT人材、DX人材とい っても、段階があります。全ての人が自分でプログラミングできたり、RPAのシナリオをかける必要はありません。区役所内においては、BPR、RPAの仕組みを知ること、情報がどのよ うに活用されているのかということ、また、統計の基礎を知っていれば十分と考えます。現在は、 管理職を含めて、一部の人しか研修を受講していませんが、全員がIT、DXの基本的な素養を身につけることが必要と考えています。



区内でどういったIT、DX人材が必要なのか、具体的 に定義をした上で、研修を組み立てる必要があると思いますが、いかがでしょうか。



最後に、大きな質問の3点目、こどもの意見表明権について質問します。 子どもを含めた基本的人権について憲法で保障されておりますが、国際的に子どもの人 権を保障するために定められた条約として、子どもの権利条約があります。日本は、1994年 に批准しています。18歳未満の子どもを権利の主体と位置づけ、大人と同様に、一人の人間と しての人権を認めており、ここでは、4つの基本的な柱として、生きる権利、育つ権利、守られ る権利、そして、参加する権利が挙げられています。この参加する権利として、12条では、子 どもの意見表明権の規定があります。子どもが自分自身に関係のあることについて、自由に自分 の意見を表す権利です。



また、2023年6月より施行されたこども基本法において、子どもの 意見表明機会の確保・意見の尊重が基本理念として掲げられています。


子ども施策などの策定に当たっては、自治体は子どもの意見を反映するよう義務づけられています。 では、実態はどうでしょうか。日々の生活が流れていく中で、先生たちが子どもたちの意見を しっかり受け止めて反映していくということはなかなか難しい状況と感じます。



この難しさは、 若者のアンケート結果にも表れています。日本財団が今年の2月に実施した62回目の18歳意 識調査で、日本、アメリカ、イギリス、中国、韓国、インドの若者各1,000人に国や社会に対 する意識を聞きました。自国の将来について、「良くなる」と答えた日本の若者は全体の15% と、6か国の中で最も低い数字でした。また、「自分の行動で国や社会を変えられると思う」人 は46%、「自分には人に誇れる個性がある」という人が約54%と、こちらも6か国中最下位 となるなど、他国の若者に比べ、日本の若者の自己肯定感、自己効力感が低い実態が数字に表れ ています。



ここで質問です。第一に、子どもの権利とは何かについて、子どもたちがしっかり学んで、進 めていくことが大事と考えます。千代田区では、子どもの権利について、リーフレットを作成し ていますが、それをどのように活用しているのでしょうか。ほかにも取り組んでいることがあれ ば、教えてください。



第二に、子どもたちが自分たちの意見を言葉や資料にして伝えることができるようにする支援、 練習の場が必要と考えます。意見を発表できるようになる教育、支援を行っているでしょうか。 取り組んでいること、検討していることがあれば、教えてください。



最後に、子どもたちの意見を受け止め、反映させる仕組みが必要です。ここでは、案として、 4つの仕組みを挙げました。

例えば、生徒会などを通じた話合いでは、一人一人の生徒の意見を 吸い上げられるように、学級会での事前の話合いが重要です。また、公開の場で話し合う際には、 生徒や子どもたちはもちろん、先生も安心して話せるようなファシリテーターの存在が大事にな ってくると考えます。そのほか、こども議会、こどもオンブズマン制度などが考えられます。こ ういった具体的な仕組みがないと、実際には、子どもたちの意見を受け止めることができません。 具体的に検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。



一見、子どもたちのわがままと思えるようなことでも、背景に何があるのかを知っていくことが大事です。大人が本気でぶつかり合っていくとき、子どもには必ず伝わります。千代田区教育 と文化に関する大綱にも、次のようにあります。「未来を託すべき子どもたちには、多様な人々 との交わりの中で、自己肯定感を高め、自らの意見を発信していくことが求められています」と。 どうか本音で話をして、子どもたち、保護者や地域の皆さんと一緒に、さらによい学校をつくっ ていただきたいと思います。



以上、区長、教育長、関係理事者の前向きな答弁を求め、ちよだの声の代表質問を終了させて いただきます。ありがとうございました。


以下は、区の答弁です。



○区長(樋󠄀口高顕君)

はまもり議員のご質問のうち、DXの進捗状況等に関するご質問にお答えいたします。 区では、これまで、令和4年4月に策定した千代田区DX戦略に基づき、精力的にDXを推進 してまいりました。DX戦略は、今年度が計画期間の最終年度であり、これまでの成果や課題、 社会動向等を踏まえ、新たな戦略へと改定してまいります。各取組の目標や進捗状況の見える化、 DX人材の定義づけと研修の組立てなど、ご指摘のあった点につきましては、DX戦略の改定を 検討する中で、併せて対応の方向性を検討し、今後も着実にDXを進めてまいります。 なお、詳細及び他の事項につきましては、関係理事者から答弁いた



○教育担当部長(大森幹夫君)

はまもり議員のこどもの意見表明権に関するご質問にお答えい たします。 まず、子どもの権利リーフレットの活用についてですが、本リーフレットは、小学生版と中学生版の2種類を作成し、児童・生徒全員に配付するとともに、保護者にも「すぐ一る」を通じて 配信しております。また、学校では、人権教育の年間指導計画に位置づけ、社会科の公民分野を 学習する際などに、副読本的な役割として活用しております。さらに、紙の配付だけでなく、タ ブレット端末においても、デジタルリーフレットとして配信し、日常の指導にも生かしやすい環 境整備に取り組んでいます。



次に、意見表明の支援や練習の場についてですが、各学校においては、集団や自己の生活上の 課題を解決するための資質、能力の育成を目指し、特別活動を実施しており、様々な集団活動に 自主的、実践的に取り組む機会を設定しております。また、各教科などにおいても、学習課題に 対し、個人やグループで考えたことについて、資料などを活用しながらまとめ、他者に伝え合う 活動を取り入れることで、自己の思いや考えを表現する力が身につくよう、児童・生徒の実態に 応じた必要な支援を行っております。



最後に、意見などを受け止める仕組みについてですが、こども基本法の基本理念にのっとり、 現在も、子どもの意見反映に関する取組を推進しているところです。具体的には、昨年度、子ど もたちが主体となって意見を表明する機会として、各小学校の教育活動にて実施されているまちの歴史や伝統、特色などに関連づけた学習を「ちよだ楽」と位置づけ、その成果を全校で共有する発表会や、区内中学校・中等教育学校の生徒会役員との意見交流会などを実施してきたところ です。 教育委員会としては、これらの取組の効果検証を行いながら、子どもたちの意見をよりよい教 育行政に生かしていくための方法などについて、検討を深め、さらに推進してまいります。



○まちづくり担当部長(加島津世志君)

はまもり議員の目指すまちづくりについて、お答えいたします。 区のウォーカブルなまちづくりの定義・ビジョンについては、国が掲げている多様な人々の出 会い、交流の場やイノベーションの創出、人中心の豊かな生活の実現に加え、地域の課題解決、 活動する多様な主体のQOLの向上を図るものとしております。QOLは、区全般や地域として 安全・安心の向上や子育て環境の充実、個人として自分の居場所があることなど、活動主体によ って様々に考えられます。にぎわいについても、人の交流や文化、イベント、祭りなど、様々あるため、多様な地域特性等を踏まえ、地域によって定めていくものと認識をしております。



目標と現在の進捗、具体的な進め方については、ビジネス交流の集積地や住居系複合市街地を はじめとした多様な地域が存在していることから、曜日や時間帯など、地域の特色に応じた展開 を推進しており、短期的な取組を積み上げるとともに、既存ストックの有効活用を図りながら進 めていくことが肝要であるとの認識です。



まちづくりプラットフォームは、協議会の支援の機能等について検討しており、神保町地域に ついては、まちづくりの動向に広く対応していきます。 効果測定、部署間連携についてですが、道路に関わるデータの収集、分析を行い、生活道路整 備と活用の在り方を検討していくことはもとより、ニーズ把握や制度活用については、部署間連 携が不可欠であるため、引き続き連携をしていきます。



○デジタル担当部長(夏目久義君)

はまもり議員のご質問のうち、DXの推進状況等に関する ご質問に、区長答弁を補足してお答えいたします。 初めに、ポータルサイトに関するご質問ですが、令和6年5月末時点で、登録者は約2,600 名、申請や予約の件数は約7,300件となりました。今後も、対象手続やプッシュ型の情報発信 を拡充するとともに、積極的に周知を行い、利用を促進してまいります。



次に、オンライン化の進捗状況についてですが、ポータルサイトを活用したオンライン化は、 令和5年8月に子ども関係の40手続を目標にスタートし、年度内には目標を達成したところで す。現在、需要の高い手続から優先的に対応しておりますが、全体の手続数やオンライン化率等 は今後整理してまいります。



次に、デジタル活用提案制度についてですが、行政だけでは気づきにくいアイデアの発見や、 より区民ニーズに沿ったデジタル化の推進などを目的に、本年度から制度を開始し、95件の提 案を頂きました。今後は、庁内での確認、審査を行い、区民投票を経て、予算編成を進めてまいります。



次に、職員のリモートワークについてですが、令和5年度は約200人を対象に実施したとこ ろ、前年度比約50%増の1人1月当たり約13時間の利用となりました。本年度は、対象者を 希望する全職員に拡大しますが、一方で、窓口対応の体制確保などの課題もあるため、実施状況 も踏まえながら、目標値の設定について検討してまいります。



次に、RPAの対象業務と進捗についてですが、対象業務が多岐にわたること、業務単位等の 区分けも難しいことなどから、全体の把握は困難ですが、優先度に応じた進捗状況等の把握に努 めてまいります。



次に、オープンデータの推進については、データ利活用の観点から、加工可能な形式での公開の必要性を認識しております。ご指摘の契約情報については、一部検索可能な形で公開しており、 その他契約情報の公開についても検討してまいります。



次に、人材育成についてですが、デジタル人材の確保、育成はDX推進に当たって最重要課題 の1つであると認識しております。このため、ICT職の職員採用や職員のスキルに応じた段階的な研修の実施に努めているところです。今後も、各職場で必要なスキルを明確化し、戦略的に 人材育成を行ってまいります。



本会議では、一度だけ再質問ができます。以下、再質問と再答弁になります。



13番はまもりかおり、自席から再質問させていただきます。


まず、こどもの意見表明権についてなんですけれども、こちらは、今、いろいろ取組を行って いただいていると思うんですが、実際に学校で問題が起こっているわけです。学校で決めた校則 やルール、先生方の考えについて、校長先生の権限が強いということは非常によく理解しております。それでも、どうにかして子どもたちの意見を捉えていく、保護者の方や地域の方と話し合 っていく、そこの覚悟、決意を聞きたいわけです。そこについて、子どもたちの意見をきちんと 受け止めていくために、反映していくために何ができるのか、そこを問題解決するまで考えてい ただきたいというところで、決意、これからのやり取り、やり方を教えていただきたいと思いま す。



ウォーカブルについても質問させていただきます。3つあるんですけれども、まず、公共施設の適切な配置といったところは検討されているのかどうか。資料編のところに書いてあるので、 そうなのかなと思ったんですが、明確に教えてください。



それから、2点目ですが、交通政策に ついても検討されるのかどうか、車とか、どういうふうに少なくしていくとか、そういったこと まで含めて考えているのか、教えてください。



3点目です。検証のところです。今現在、まちづ くりをやっているときに、効果検証項目というものを定めているのか。定めているのであれば、 どんな項目を使っているのか、教えてください。また、このウォーカブルといったところで、非 常に大きなまちづくりといった意味で、(ベルの音あり)健康や社会的交流の促進といったとこ ろも重要だというふうに思っています。この辺も効果検証の項目に今後含めていくのかどうか、 教えてください。 以上となります。



〇教育担当部長(大森幹夫君) はまもり議員の再質問にお答えいたします。 学校は、適宜、保護者ですとか子どもと意思疎通、意見交換を、今でもしております。さらに、 先ほどもご答弁いたしましたが、様々な意見交流会などを通して、教育委員会としても、子ども たちの意見をよりよく教育行政に生かしていくために検討を深めてまいりたいと思います。



○まちづくり担当部長(加島津世志君)

はまもり議員の再質問にお答えさせていただきます。 公共施設の適正な配置ということの再質問、その考え方に関しましても、先ほどのちょっと繰 り返しになりますけれども、人中心の豊かな生活の実現、活動する多様な主体のQOLの向上を 図るに際しましては、活動主体によって様々に考えられるというふうに認識をしております。



それと、効果検証でしたっけ。効果検証に関しまして、道路の効果検証に関しましては、先ほ どの効果測定、部署間連携についてのところでもお話しさせていただきましたけれども、今後、 生活道路の整備だとか、活用の在り方を検討していくといった形で、先ほど答弁をさせていただ きました。



また、アセスですかね。(「交通政策」と呼ぶ者あり)交通政策について。交通政策について も、先ほど申し上げたように、そうですね、一度で完成、成熟するものではないと、ウォーカブ ルのまちづくりというものは、思っていますので、そういった実証実験だとか、暫定利用だとか、 LQC、小さいことからのアプローチ、こういったものに基づいて、短期的な取組を積み上げていきながら、長期的な取組に持っていくということが肝腎であるというふうに思っておりますの で、そういった中で、交通政策、ここが必要だということであれば、対応していくというふうな 考え方になるかなと思っております。



以上です。

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