top of page

ヒートアイランド対策には、水と風と緑を

  • 執筆者の写真: 香織 浜森
    香織 浜森
  • 2024年10月8日
  • 読了時間: 2分

三上岳彦先生(東京都立大学名誉教授)にヒートアイランド現象〜再開発のあり方と緑の効用〜について、お話を伺いました。


再開発にあたって、水と緑と風に気をつけなくてはならないことが良くわかりました。


◉ヒートアイランド現象とは

・都市部の気温が周辺の郊外や自然地域よりも高くなる現象。

・ヒートアイランド現象の特徴は、夜になっても気温が下がりにくいこと。


◉気温の実測が大事

・先生方は小学校の百葉箱など100ヶ所以上に測定器を置いて気温を測定。

・地表温度だけを見ても意味がなく、気温が大事。局所的な対応ではなく、広範囲での計画が必要。


◉緑の効用

・夏の千代田区市街地では、午前中から夕方まで猛暑で、夜間から早朝も気温が高い。

・同じ千代田区でも大手町と北の丸公園内では明け方の気温が2℃も異なる。


◉主な原因は次の三つ

①ビルの空調や自動車などの人口排熱が増えること

②アスファルトなどに覆われた地面が熱をため込むこと

③中高層ビルが密集することで海風が通らないこと 

◉対策は、「水」「風」「緑」

①水辺空間(川や池)を増やすこと

②風の道をつくること

③樹木や公園を増やすこと

+人工排熱を減らすこと


◉再開発の影響

・樹木が大量に伐採されること、高層ビルが建ち並ぶことは深刻な問題である。

※汐留など湾岸に高層ビルがあると海風が通らない

・行政は「風の道を作った」と言うが、風はそんなに都合良く作られた道を通らない。

・ビルの表面や谷間は地表温度が下がることがあるが、局所的。風が弱まることが一番の問題。周りは高温になる。


◉海外は公園や樹木、水辺空間を重視

・ニューヨークにはセントラルパーク341ha、ロンドンにはハイランドパーク141haがある。新宿御苑は56ha。

・韓国では高速道路を取り除き川に戻した。

・「樹冠被覆率」🟰樹木の枝や葉が地表を覆う割合を重要指標としている。

・都市環境の改善や気候緩和の観点では「樹冠被覆率」が大事。

・「緑被率」は、生態系保全や自然環境評価に適している。


 
 
 

最新記事

すべて表示
介護になる前も大変?

親兄弟の介護の話は、誰もが通る道、先輩方からも、いかに大変か聞いていました。 けれども、介護が前の準備や初期のことは聞いていませんでした。 今、私たち家族に起こっていることは、介護になる少し前の話です。 父の記憶力の急激な低下...

 
 
 
市民の力、職員の自発性

3/1ですが、、、「くじ引き民主主義」について。保坂展人区長、小柴直樹さん(世田谷トラストまちづくり常務理事)をはじめ、ワークショップ・まちづくり会議に参加されている方々のお話を伺いました。 急にお知らせが来て、不安ながら参加したという学生さんも。「自身の意見が反映されてい...

 
 
 
なぜ事実に向き合わないのか

東京新聞が千代田区の問題(官製談合の対応)について、非常にわかりやすくまとめています。 事の発端は、岩田区議の「刑事確定記録」閲覧に基づいた本会議質問でした。 「刑事確定記録」により、本人・元議長・元部長の供述から、元副区長の関与が明らかになりました。...

 
 
 

コメント


bottom of page