令和5年第二回定例会にあたり、一般質問させて頂きます。 ※動画はこちら⇒録画映像 | 千代田区議会インターネット議会中継 (kensakusystem.jp)
今回、大きく4つの質問があります。 1.公務員のコンプライアンスについて
2.神田警察通り 4.11 に配備された警備員の特命随意契約の妥当性と撮影行為について
3.広報物のガイドライン策定について 4.食料自給率向上の理解促進について
1.まず、公務員のコンプライアンスについてです。
コンプライアンスとは、一般に法令遵守を意味しますが、昨今は、昨今は社会規範や倫理・規定などの幅広い規則を守る意味で使われています。
そして公務員のコンプライアンスを考える際に、大事なことは憲法が関わっているということです。
資料をご覧ください。
憲法99条では、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」とあります。
これは権力者の暴走を抑制し、国民の権利・自由を守るために、公務員に憲法を守る義務があるということです。
資料に一部を抜粋して掲載していますが、
千田区では、更にコンプライアンス・ガイドラインを策定し、一番最初の項目に、「基本的人権を尊重し、憲法を擁護します」と謳っています。
ここでは、「自由権」「平等権」「社会権」など、そして「知る権利」「プライバシー権」「環境権」などが列挙されています。
また、特に人権が侵害されやすい例も挙げられておりますが、私はここに「権力に対して反対の声を挙げる人」も入ってくるのではないかと考えます。
つまり、性の別、人種や国の違い、思想や信条、そして政策的な違いなどで人権を侵害することは絶対にあってはなりません。
憲法で謳われていることではありますが、当ガイドラインで改めて、「すべての人の人権を守るのだ」という決意を述べたものであると、私は理解しています。
●そこで、お伺いします。千代田区としてのコンプライアンスまた人権の尊重とはどういうことを意味しているのか、お答えください。
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以上のように、憲法および区のコンプライアンス・ガイドラインにおいて、公務員が区民の人権を侵害することはあってはならないことについて、確認しましたが、
このことを徹底するには、公務員である区の職員自身も人権を守られ、心理的安全性の高い、自由に意見の言える職場であることが大切であると考えます。
そこで質問です。人権・コンプライアンスについては、職員の階層別研修などで既に十分取り組んでいるとのことですが、
●区民の人権を守る、職員の人権を守ることを常に意識し、更に定着を図るためには、日常的な取り組みが必要ではないでしょうか。
例えば、こちらはイメージですが、ストレス状況や、人権に関する問題がないか天気マークを用いてアンケートをしたり、
実際のケースを元に考える場をつくるなど、短い時間でよいので、短期間で繰り返し実施できるような日常的な取り組みが必要と思います。
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2.続きまして、大きな二番目の質問で
神田警察通りで配備された警備員の特命随意契約の妥当性と撮影行為についてです。
2023年4月11日(火)の朝4時ごろ、神田警察通りに多くの屈強な警備員が派遣され、イチョウの木を守る周辺住民の皆さんとの間で小競り合いがありました。住民、職員、警備員にけが人が出たと言われています。
私もその場に一区民としておりましたが、尋常ではない物々しい雰囲気でした。
まず、この1週間前の4月4日に締結した特命随意契約について伺います。
この契約は、神田警察通りの道路工事等に係る保安業務・警備員の委託契約で、期間は来年3月31日まで、金額は約1千万円です。
驚くのは警備員の単価の高さです。資料をご覧ください。
警備員A-➁有資格者の夜間8時間で8万3,122円、時給にして1万円以上です。
特命随意契約ですから、競争入札を行っていません。高い単価で特定の事業者を指定しているということは、当事業者しか対応できないケースであり、特殊なスキルを保有していることが必要になります。特命随意契約は妥当なものだったのか、ここで質問です。
●今回、警備会社に委託した目的をお答えください。
●特定事業者を選定した理由書には、「多様かつ困難な対応が求められるほか、越権行為などのないように高度な法令知識を有する必要がある」と記載がありますが、どのような困難なケースを想定し、どのようなスキルが必要だったのでしょうか。具体的にお答えください。
●また「類似する業務経験におけるノウハウ」があるとのことですが、どのような案件の実績があったのでしょうか。こちらも、具体的にお答えください。
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当日は、多くの職員や警備員が区民を撮影していました。この件について質問いたします。
●区民を撮影した目的は何でしょうか、お答えください。
●また警備会社への委託内容に、区民を撮影することが含まれていたのでしょうか。
●職員と警備員の撮影者数はそれぞれ何人だったのでしょうか。
●区民を撮影するにあたって職員へ何かしらの指導をしましたか、指導したのであれば、その内容についてもお答えください。
●当時、私が木のそばで、カバンからスマートフォンを取り出そうと下を向いていた際、職員から「顔を隠さないで。顔を上げて。反対している人ですよ。」と言われました。
まるで、権力に対して、反対の声を挙げる人には、人権はないのだと言われているような、非常に怖い思いをしました。また、私だけではなく、その場にいた区民は、撮影班によって、何度も執拗に顔を撮影されています。
●区民の顔を執拗に撮影した行為について、人権・コンプライアンスおよび個人情報保護の観点からどのように捉えているかお答えください。
個人情報の取得については、個人情報保護法61条に、個人情報の保有の制限についての記載があります。行政機関等は、利用目的に合った、合理的に認められた範囲でのみ個人情報の取得(区民の撮影)が認められています。
一方で、今回の出来事は、区の職員にとっても、非常につらく苦しいものだったのではないでしょうか。
「職務を全うしなくてはならない」ためにやむを得ずに行っていることと思いますが、
・もっとも大事なことは、区民の人権を尊重し、区民との信頼関係を守ることです。
・そして区民が望んでいることは、道路整備を進めることです。
・イチョウの木を守る住民の皆さんも、道路整備自体は進めてほしいと思っています。
それであれば、どのように解決するのか?その方法が、今後も警備員を投入する強硬手段を繰り返すことであるなら、民主主義の社会において、こんなに悲しいことはありません。
●区民の人権を尊重し、区民との信頼関係を壊さずに、道路整備を進めるためには、警備員の投入ではなく、対話が必要ではないでしょうか。
これまで、樹木の伐採については、2回の話し合いをもって、「すでに話し合いは終わった。平行線だった。」との答弁がなされておりますが、たった2回の話し合いでは足りません。
工事が止まっていた一年半、仮に月に1回話し合ったとしたら、18回は話し合いができたはずです。週1回であれば、72回。中立となるファシリテーターを入れた、対話の場を求めます。
●更に、道路整備を早く進めるため、今問題になっている区間ではなく、住民合意のある区間から工事を進めてはどうでしょうか。
例えば、神田駅付近のⅤ期などです。ただし、こちらも事前に住民の意向を確認したり、丁寧な説明会が必要なことは同じです
、周辺住民の意向を確認する事前ヒアリングを私も一緒にやりたいと思います。他の議員にも協力を仰ぎたいと思います。
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3.続いて、大きな3点目の質問、広報紙・ホームページにおける掲載ガイドラインの策定についてです。
現在、広報誌及びホームページについては、広報誌発行規定、ホームページ運営要項があり、何を掲載するか「項目」についての規定があります。しかし、どのような点に注意すべきか、リスク管理における掲載基準がありません。
一方で、一番新しく策定された、『ソーシャルメディア活用ガイドライン』においては、掲載基準が明記されています。
そこで質問いたします。
●広報誌・ホームページのそれぞれの目的・位置づけ・項目・留意点・運用フロー等について、千代田区独自のガイドラインの策定が必要ではないでしょうか。
また、他の自治体でも、総務省のガイドラインに基づき、「アクセシビリティ」「表現」などの観点から個別にガイドラインを策定していますが、リスク管理の面も含めて体系的に整理している自治体は少ないようです。そこで、企業におけるガイドラインも参考にしてはどうでしょうか。
4.最後は、食料自給率向上に向けた取組として、学校給食における、国産食材の対応・検討状況について伺います。(パンなど)
先日、2022年度『食育白書』が閣議決定され、気候変動やロシアによるウクライナ侵攻で食料供給が不安定になりつつあることを受け、食糧自給率向上の意義を理解することが重要という提言がなされました。
また、学校給食などで国産の食材を使うことが、食料自給率向上の関心を高めるために有効であると示しています。
そこで質問です。学校給食において、国産食材使用の現状はいかがでしょうか。例えば、国産小麦・米粉(こめこ)のパンなども検討してほしいと思います。
以上となります。
区長および関係理事者の前向きな答弁を求めます。 ※動画はこちら⇒録画映像 | 千代田区議会インターネット議会中継 (kensakusystem.jp)
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